2014年02月09日

 現代のベートーベンの業。

 
 広島生まれ被爆二世で全聾、常に黒色の服に身を包み長髪にサングラスをかけて髭を伸ばし、手には包帯その上杖をつく天才作曲家は「現代のベートーベン」と呼ばれた。

花1

 代表作は「交響曲第1番<HIROSHIMA>」、東日本大震災の被災地へ贈る鎮魂曲「ピアノのためのレクイエム」,「鎮魂のソナタ」など。
 その「交響曲第1番<HIROSHIMA>」の評価は、ネットによると、
 野本由紀夫―『これは相当に命を削って生み出された音楽』,『本当に苦悩を極めた人からしか生まれてこない音楽』。
 三枝成彰―『私がめざす音楽と共通するところを感じる』。
 吉松隆―『すべての聴き手を巻き込む魅力に富むと同時に見事に設計された傑作だと確信する』。
 許光俊―『世界で一番苦しみに満ちた交響曲』。

花2

 ところが週刊文春によると、ゴーストライター新垣 隆氏の認識では最初の代作の曲が完成した時は『あの程度の楽曲だったら、現代音楽の勉強している者なら誰でもできる、どうせ売れるわけはないという思いもありました』。

花3

 最初この事件を聞いた時、咄嗟に松本清張の「真贋の森」(傑作短編コレクション)を思い出した。それは絵画の贋作をテーマにしたもので、そのジャンルは勿論のこと目的も結果も全く違うものである。けれども、曰く言い難く心を逆撫でされる感覚が蘇った。それは主人公の復讐への共感なのか、一時の自堕落で落ちていく感情への嫌悪なのか、成功過程と結末との落差なのかはわからない。ただ一つだけ言えることは人の業への苛立ちであろう。

花4

 それにしてもマスメディアの軽薄さと、評論家の偏った権威主義と、付和雷同する大衆と。
 新垣氏は一体どれほど『命を削って』、どんな悲惨な辛苦をなめて『苦悩を極めた』のだろうか。


posted by 工房藤棚 at 14:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言
                                       .
Logo