2015年08月03日

ステンレスの丸棒から掘り出す超高精度コマNEXT-URANUS(ウラヌス)。

 
 ウラヌス(URANUS)とは、天文では天王星でギリシャ神話では天空をそのまま神格化した存在だという。

ネクスト-ウラヌス
 ネクストが製造し精密コマSHOPが販売するNEXTーURANUSは、ステンレスSUS303の棒から丸ごと削りだした究極の金属コマ。そのサイズはφ18.9*22mmで重さは14gなのでイメージよりかなり小さいが、軸の繊細なローレット加工が長時間回転の期待を弥が上にも高める。

精密コマ ウラヌス
 なりは小さいが、本物だけが持つ貫禄と輝きは一見しただけで察する。それは、どれほど加工機が進歩したとしても、金属の塊から精度を保って削り出す作業が容易でないことを素人でも本能的に理解できるからだろうか。もしくは、材料をどんなに有効に利用したとしても、肝心の商品よりも切り屑の方が多いだろうという過剰品質ともいえる贅沢さからだろうか。

ウラヌス
 本当に正確に加工が可能なら、コマ本体と軸が一体の方が良いのは誰でも見当がつく。けれども、それが安く作れるとは思わない。このウラヌスも四千円ちょっとする。大きさと玩具であることだけを考えたら高いと考える人は多いだろう。仮に普通にイメージする大きさのコマをこの方法で作製したら購入できる人は限られる。それより何より特殊な価値観が必要になるだろう。

URANUS(ウラヌス)
 精密コマSHOPオカヤ×ネクストによると、ラインアップは大きく分けてURANUS(ウラヌス)のほかに
  1)STARLIGHT(スターライト)は本体がφ18.9mmとURANUSと同じで軸高は30mm。本体と軸を別々に削り出しニッケルークロム鍍金仕上げ。
  2)STARLIGHT MINI(スターライト ミニ)がφ10mm、高さ14mmでステンレス材からの削りだし。直径1cmなのだから正真正銘のミニである。
 3)CHRONUS(クロノス)はステンレス材からの削りだし+先端焼き入れ鋼球でφ19.8*22mm、コマ本体の厚みがURANUSの倍以上あるかという独特の形状をしていて重量も21gであるが、価格も堂々の¥5,400である。

URANUS
 クロノスの存在感と10分に迫る公式記録には強く惹かれた。しかし、次があるのかは分からないけれども、最初なのでオーソドックスなウラノスを選択した。それは一言だけならamazonのレビューにもあったが所有欲はかなり満たされる。金属好きや質に拘る人は注意が必要だろう。

NEXT-URANUS
 回転時間は公式記録が7分以上を誇り、メーカーで4分以上回ることを確認して出荷していると発表されている。それは少し慣れたら普通にクリアできるが更なる上を目指しても易々とは記録が伸びない。けれども何慌てることはない。色々と工夫し楽しみながら上達していくことが遊びの遊びたる所以である。

精密コマSHOPオカヤ×ネクスト
 「高いけれど良い」は、これからの日本の製造業が生き残っていく唯一の考えかたであろう。だが「高くてもいいから良い物を作ってくれ」の希望を叶えるためには、それにふさわしい技術が必要である。当然日頃の鍛錬が欠かせない。「継続は力也」は金言であり、失われてはならない技の継承には弛み無い精進しか道はないと認識させられた信州は岡谷の逸品であった。
 

posted by 工房藤棚 at 20:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | コマ・独楽

2015年08月02日

三千世界を袈裟切りにした「傑作コラム集」。

 
 週刊新潮は、昭和31(1956)年出版社系初の週刊紙として創刊されたそうで、約60年で通巻3000号であり、今週はその記念特大号で特集は『三千世界を袈裟切りにした「傑作コラム集」』である。

苔
 それは鬼籍に入った達人「山口瞳」「山本夏彦」によるもので、■「男性自身」傑作選三編、■「夏彦の写真コラム」傑作選六編であり、前書きで『両達人の「精神」は今も週刊新潮の中に脈々と息づいている』と紹介している。

苔
 一昔以上前に亡くなられた山本夏彦さんが話題となることは今では殆どなく、ワックから出版されていた『山本夏彦とその時代』シリーズも、2012年11月の「戦前まっ暗のうそ」4巻を最後に発行が途切れている。10巻の「夢想庵物語」まで予告されていたのだが、今後の見通しは非常に暗いだろう。

苔
 氏が生前よく書かれていた「読者は作者の遺体がつめたくなると同時に去るから蚤に似ている」は、半分以上謙遜が含まれていると考えていたのだが、その洞察の鋭さは悲しい事実ながら辛口名人の面目躍如であろう。

蘭
 その六編は厳選集に相応しいもので、「崩御か薨去か死去か」から一部を紹介し、新しい読者が興味を示すことを期待したい。
 『 よかれあしかれジャーナリズムは時代をさきどりするものである。すでに社会主義は時代遅れである。それは敏感な記者なら知っているはずである。私はジャーナリズムを嫌悪しかつ軽蔑しながらなおなが年そのなかで衣食してきたものである。だから、せめて自分でも信じていないことを書くなと言いたい』。
 

posted by 工房藤棚 at 12:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 山本夏彦
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