7月5日にキャストパズルのシリーズ名を「はずる」に変更し、その第一弾として3作が発表された。その二番手は難易度4の「キャスト ケーキ(CAST CAKE)」である。
折角延々と築き上げたブランド名を捨てて、輝かしいイメージを強烈にアピールするためには新作の役割は大きい。新シリーズ「はずる」といっても、他は同じものを箱を変えて値段を上げただけのものである。
もしかしたら、新シリーズのための隠し玉の可能性もある。いつでも発売できたのだが、この時を待っていたのである。所謂「満を持す」である。
その姿に対する「キャスト ケーキ」の名前に厭な予感がした。その形に醒めた感覚を覚えた。その説明文に落胆した。『単純でありながら計算された秀逸な作品』。
これほど事前に期待しなかったパズルは無かった。当然ながらその予想は外れて欲しかった。もし推理通りなら面白くないのは勿論のことパズルと呼べるかも心配である。そうして、その心配は心配以上であった。
操作性が悪い上に、操作感はもっと悪い。楽しみのはずの遊びが苛つくだけの作業になり爪楊枝まで持ち出して、計算した通りの配置にしたらアララ「はず・る」。その計算も円は一周360度、直角は90度。90*3=270。小学校は何年で習ったのだろう。
新シリーズHUZZLEの動画に深いため息をついた。上の口に2本の歯が目立つ丹頂鶴のユルイもので、「はずる」を「歯鶴」にかけたつもりだろうが、そのセンスは寒いと感じた。ところが、キャスト ケーキでのそれ以上の虚ろなため息は、期待されるユーザー像からは遠く離れつつある自分の感性に対するものだったのだろうか。