「毛細管現象」とは、液体中に細い管を立てたとき、管内の液面が管外の液面よりも高く、または低くなる現象であるが、地下水が土と土の隙間の細い空間を重力や上下左右に関係なく浸透していくことでもある。
東京の豊洲市場移転問題において、建屋に盛土がなされていなかった云々で、砕石層の上に2m分はきれいな土と入れ替え、更に2.5mきれいな土を盛ったとされるが、何故砕石層が必要なのかご存じですか。
そう、「毛細管現象」を防ぐ為です。そして、建屋の地下室の地下水は砕石層を越えて溜まっていたのである。これは何を意味するのか分かる人には分かる悲惨な事態である。
また、砕石層の設定はA.P.+2.0mというが、この「A.P.+2.0m」を理解している人がどれほどいるのだろうか。「A.P.」とは、荒川基準水面のことで特殊な業界用語である。それはその辺の海面の干潮時のレベルであり、「+2.0m」は満潮ではほぼ海面らしい。
地下水管理システムが動き出せば、各棟の水位は下がると説明されていた。しかし、10月14日から本格稼働を始めたそうだが大半の地点で下がらないで、却って水位が上昇した地点もあったと報道されている。
ポンプによる地下水の汲み上げを24時間態勢でおこなっているにも係わらずである。その量はなんと最大一日600トン。電気代は青天井である。素人が聞いたら腰を抜かすような金額だろうし税金は湯水のように浪費される。多分デマンド(最大需要電力)も想定外で担当者は頭を抱えているだろう。
もし、豊洲がザルならば地下水管理システムは電力会社にとって新たな宝箱である。ポンプは止まることを知らず昼夜なくひたすら回り続ける。
大体目の前が海の地下水とは真水なのか。根本の安全が電気じかけでは危うく脆い。