6月25日に静岡県知事選挙が行われる。現知事の川勝平太氏が4月25日に出馬表明をした。それにより、大きく男を下げたのが民進党の細野豪志氏である。今後の政治生命を脅かす致命傷にさえなりかねない痛恨事であろう。禅譲を期待した一連の行動は不可解であり、所詮この程度だったのだろう。優柔不断と人を見る目の筋の悪さは救い難い。
以下の発言内容は静岡新聞の報道を元にしている。
川勝知事が「仮に投票率が5割に達しなかったら、当選しても即辞職する」と大見得を切ったのは僅か半月前。それを今回「投票率が5割に達しないような運動をするという動きがある。一種の選挙妨害」と批判し「今回は投票率にこだわらない」と前言を翻した。
遡って4月21日。田辺信宏静岡市長は「公的な発言には責任を持ってくださいと申し上げたい」と述べたそうだ。流石、犬猿の仲であり面目躍如である。
発言を受けて4月26日。鈴木康友浜松市長は「現実的な話ではないので言葉尻を捉えるのは好ましくない。潔く撤回されたので良かった」と話したそうだ。これぞ、箸にも棒にも…。
『対立候補の擁立を目指す自民党側には「得意な詭弁」「言い訳して覆すのは県のリーダーとして疑問」といった批判が渦巻いた』。
法政大大学院白鳥浩教授の話「川勝知事の主張は論理のすり替えで、驚かされた。謝りもせずに発言を撤回し、県民の政治不信を自ら助長している格好だ。もう少し反省の姿勢があってもいいのではないか。…川勝知事は静岡市との間で県政と本質的に関係のない対立を招く発言もしている。こうした川勝流の政治スタイルは県民にプラスなのだろうかと疑問に感じざるを得ない」。当然、不愉快で気を重くしている県民は少なくないだろうし、静岡市民の今回の投票行動が興味深い。
それよりなにより出馬会見での抱負「静岡県を世界展開する時が来た。その仕事に邁進したい」。言葉も中身も羽毛の如く軽く薄く、その上に怪しく不気味である。