今日、静岡県知事選挙にて川勝平太氏が3選を決めた。
細かいところは正確でないかもしれないが、彼は宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を愛読していたけれども「決して怒らず」を読み飛ばしていたと述べたと選挙中に報道されていた。それは、静岡市長などへの理不尽な言いがかりの笑えない言い訳であり、真心や誠意が感じられなくて残念だった。
雨ニモマケズ
宮沢賢治(原文は漢字交じりのカタカナ書きである)
雨にもまけず
風にもまけず
雪にも夏の暑さにもまけぬ
丈夫なからだをもち
欲はなく
決して怒らず
いつもしずかにわらっている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜をたべ
あらゆることを
じぶんをかんじょうに入れずに
よくみききしわかり
そしてわすれず
野原の松の林の蔭の
小さな萓ぶきの小屋にいて
東に病気のこどもあれば
行って看病してやり
西につかれた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北にけんかやそしょうがあれば
つまらないからやめろといい
ひでりのときはなみだをながし
さむさのなつはオロオロあるき
みんなにデクノボーとよばれ
ほめられもせず
くにもされず
そういうものに
わたしはなりたい
「雨ニモマケズ」の静かで穏やかで外連味のなさとは対極の人がまた県政を執ることとなる。それが県民の選択なら仕方がない。
民は何を夢想し幻想を抱き、一体なに故に更なる停滞と混迷の道に迷い込こもうとするのか。