近ごろ低迷が著しい「はずる」が、またまたやらかした。恐らく、その影響は後世まで語り継がれることになる大悪手である。
新作キャスト トリニティ(CAST TRINITY)の販売手法があざとい。そのキーワードは「定価販売」である。新作については色々なサイトが予約を受付けていたが、唯一17年12月発売予定の販売店で10月下旬に予約した。ところが公式Twitterで12月15日に「明日12月16日から、Amazonさんで先行販売!」ときた。その上、その理由の説明は一切なし。
当然12月16日からはAmazonでは通常に販売されている。2〜3日は予約販売店からの発送のメールを待っていたが残念ながら音沙汰はない。仕方がないので確認のメールを送ったが、返ってきたのは素っ気なく不愉快さが漂う「一部サイトでは先行販売を行っているようです。何卒よろしくお願いいたします」。本意ではないがキャンセルさせて頂いた。
問題はここから。Amazonでの現在の販売価格は定価の1,382円である。ちなみに「はずる」の前作のキャスト ドットは33%OFFの923円である。同じ難易度6のキャスト インフィニティでも842円で買うことができる。尋常な販売方法でないことはご理解頂けると思う。多分他の販売店も売り始めたら値段を下げるだろう。公式Twitterでは「来年1月発売」とされているから、仮に1月下旬販売ならあと一ヶ月もある。酷い話である。
「はずる」発売元HANAYAMAの公式ホームページによると、キャスト トリニティの販売日は2017年12月になっているから会社ぐるみであろう。よくもまあ、こんなにも不公正で不平等で不明朗で薄汚い商売をするものだ。
前からHANAYAMAは変なところがある会社ではあったが、この4、5年前からの迷走は厳しい。今回の件も、あらかじめAmazonにて先行販売することをアナウンスしていれば、まだ救いがあっただろう。けれどもAmazon以外でも予約を受け付けている。たかだか千円程度の商品で予約を受け付けたのはいいが、苦情を言われたりキャンセルされたり、その上に悪印象を持たれたりでは踏んだり蹴ったりである。こんな仕打ちを受けて今後も喜んで「はずる」を販売してくれると考えているなら阿呆そのものである。まして独占の弊害を知らぬなら救いはない。
本当に、やることなすこと全て裏目で悪手の連続であり理解の範疇を超えている。将棋では、悪手を2回続けたらまず勝てないと言われるが、このままでは先はない。情けない出来ごとはざっと思いつくまま記してもいくらでもある。
1.最大の痛恨事はCastPuzzleのブランドを捨てたこと。
2.一番の罪は数多い名品力作キャストパズルの廃盤。
3.感性が世間と大きく乖離している(チェス)プレミアムシリーズ。
4.恥知らずの鈍感はウルトラ(マン・セブン)シリーズの二番煎じ。
5.最近で苦笑したのはキャスト インフィニティでの解法手順数誇張。
6.賛否はあるかもしれないがメールによる解答図の配布の見識の浅さ。
7.「日本はずる協会」の存在。一私企業の任意団体に「日本○○協会」と名付ける大仰さと鈍感と違和感。相撲道も真っ青だろう。
嗚呼どこまで続く泥濘ぞ。
されど、キャスト トリニティ。確かに難しい。けれども、もう燃えないし夢中にはなれない。キャスト ラディックスに出会った時の情熱とは雲泥である。CastPuzzleのファンだったのはイメージを含めてのことだったのかと痛感する年の瀬の冬らしく厳しい寒さである。
さらば昴よ、さらば破狡よ。