はずるの新作キャストパズル「はずる キャスト チューブ(CAST TUBE)」が10月下旬に発売になっている。
ゲームレベルは星5コで、かなり難しいことになっているが、そこは評価が分かれるだろう。けれども個人的には、素晴らしいパズルであると断言したい。
もしも、メーカーがしっかりと腹を括り、更に鋭い形で世に提供していたのであれば、堂々とキャストパズル名品群のトップクラスに輝くこととなった可能性を秘めていた逸材である。
それは・・・・・。
解が分かっている人が挑戦しても10分以上クリアできない精度。その上に片方はダミー。更にバージョン違いによる逆解法があり、ただし外観に差異は無し。常識的には不思議物体あるいは不可能物体。
世のパズルで全く同じ外観でありながら難易度を調整できる物は多くは無い。そして解答図を公表しないのは当然であり、メールによる問い合わせにも「特殊な解法であり、パズルは自分で解いてこそパズルです」と素っ気無し。
幸運にはずる。それは狡ではない。簡単に戻るはずる。されど、偶然に再現性はなく、苛つく。二度とあの喜びを迎えることはないだろうと悟った時の底知れぬ絶望感。人は諦めるしかないと知る恨み。あるいは曰く言い難い口惜しさ。そして達観。
ビールにでさえ辛口があるのだから、パズルに超辛口があってもいいじゃないか。それはパズルが持つ知。それからパズルという遊び。そしてパズルのパズルたる所以。唯一無二の究極へと・・・。
中島みゆきが作詞・作曲した名曲「時代」を発表したのが1975年。随分と時は流れ、吉田拓郎は「ah-面白かった」と去って往く。それは残念ではあるが、回り廻って老化し変化し前進していくのは時代だけではない。