キャストパズルを「はずる」シリーズと名称変更し、長らく待ち望まれた難易度6の怪物が満を持しての登場なので、期待はいやが上にも高まっていたキャスト インフィニティ(CAST INFINITY)だが、一部で散々な評価を受けて残念である。
その要因の一つが簡単過ぎるという感想である。けれども、その手順や方法は本来想定していなかった解法によるものの可能性もあり、その上、発売前に定義があやふやで不明朗な手順数がTwitterにて公表されていたので、より混乱に拍車を掛けてしまった。もし、不用で禁断の近道を解消したら、どれほどの名誉が回復できるのだろうか。
新発売からある程度時間が経過して、なんとはなしに改良されたという雰囲気が感じられたので確認してみることにした。最新版が必要なので、おそらく現在日本で一番売れていると考えられるAmazonにて、もう一つ購入して色々な組み合わせを試してみた。写真の赤色が旧品で、マジックインクを塗っただけであるが、その影響で動きが重くて固く思いの外苦労した。

安心して下さい。それは、上の真理値表の通り別解は解決していたのである。論理式Z=Bは、原因はBのみにあることを示していて、そのBは片方のリング(INFINITY∞とHANAYAMAの刻印有り)で、目視で確認しても変化は一目瞭然であり鮮やかな復活である。改良版で別解を試しても固まってしまうだけであり、新キャスト インフィニティはスッキリとした。
メーカーであるハナヤマからは、一切アナウンスがないので、不良ロットが紛れ込んでしまったのか、大至急で型を修正したのかは不明である。それが何個出荷されたのか、いつから新ロットとなったのか、旧ロットは回収したのか全て闇の中であるが、新旧交代は時間が解決するだろう。あの別解は白昼夢だったのであり幻となったのである。そうして、3年後、5年後キャスト インフィニティはどんな評価を受けているのだろうか。
別解の無いINFINITYも操作性は全く変わらなかった。改めて云うことでもないが、この新パズルで怪我をするには特殊な才能が必要だろう。キャスト インフィニティは、あいにく幸薄い生い立ちとなってしまったが、アイデアもデザインも味も趣も別格であり一級品であるのは間違いない。また、その唯一無二の美しさは永く愛され続ける価値があり他では得難いものである。
更に、同じVesa Timonen氏による「はずる キャスト ダイヤル」も来月の発売予定であり、大いに期待したい。
【HUZZLE・CastPuzzleの最新記事】