「情けは人の為ならず」を「情けをかけるとその人のためにならないので、かけないほうがよい」と解釈するのは誤りであるのは、ようやく常識になりつつあるだろう。
けれども、新明解「故事ことわざ辞典」の『情けを人にかけるのは、その人のためになるだけでなく、いつかめぐりめぐって自分によい報いが返ってくるものだということ。善行は結局自分にも返ってくるものだから、人には親切にせよという教え』もしっくりこない。
新渡戸稲造先生の言葉に次のようなものがあるそうだ。打算の匂いは消され心が整理される。
「施せし
情けは人の為ならず
己がこころの
慰めと知れ
我
人にかけし恵は忘れども
人の恩をばながく忘るな」。