もしかしたら、私たちは現在進行形である史上最大の集団詐欺事件の被害者かもしれない。
昨日から今日の話題で、年金関連が2ツあった。どちらも余り大きな話題とならなかったが、実はとんでもない事態である。
一番目は、厚生年金の標準報酬改竄である。その証言の真否の信頼性は、まだ不明である。
しかし、多くの人が、「さもありなん」と思うことが、もうダメである。そして、これをやったら、何でもありであり、残念ながら、これで終了である。よくもここまで適当なことができるものである。だが、当事者は平気である。
たくさんの「ある」があるが、そこにあるのは、「他人事」である。彼らにとって、年金とは共済年金さえしっかり守れば、それ以外は暇つぶしの道具であろう。
二番目は、国民年金保険料の2007年度の納付率である。その数字47%である。皆で納め、皆で築こうの年金納付率が半分以下である。しかし、免除や猶予を除いた公式発表は約64%。
「制度上保険料の納付を必要としない全額免除や猶予の分を分母に含めて納付率を論じるのは適当でない」。
勝手に適当な免除などと制度を小細工しておいて、もっともらしく、典型的な詐欺師と同じ理屈を付けられたら、流石の呑気者でも呆れる。
国民年金を納付しない人に理由を聞くと、年金制度が信頼できないからだと云う。納めるお金が無いからだと云う。そうだろう。
しかし、年とって生活が困ったらどうするのかと問うと、貯金は無いだろうと云う。今、国民年金を納めるお金にも困っていて、老人になった時にたくさんの貯金があると考える方が不自然であるから、その判断は、ほぼ正しいだろう。
ならば、どうすると問うと「生活保護」があると云う。そこが想像力不足なのである。
「生活保護」のお金はどこからか湧いてくるものなのか。その時は、今の中途半端な田舎以上に、老人のみが溢れている。
実は、ネズミ講でも、最初は餌を撒くのである。その餌に食いつく阿呆を狙うのである。
今、現役時代に、それなりの給料を得ていて、厚生年金を受給している人は、年金生活で貯金できるという。今、働き盛りでありながら、正社員でない若人は、中古車さえ届かぬ夢であるという。
もう餌に食いつく余裕さえ奪っておいて、どうしようかと?。
明らかに破綻しているシステムでも改める気は無い。その覇気は元より無い上に、責任をとる者も無い。責任なんて言葉は聞きたくも無いし、損失を補填するなんて発想は当然無い。謝るという言葉は辞書にも無いし、その理由さえも思い当たら無い。民間人の将来に対する配慮は、ある訳が無いし、意見を聞く耳も当然持って無い。
ここまで舐めきって、ふざけたことをしても、安泰である。だって、「悪事をはたらいた者は、牢屋に入って貰う」と啖呵を切られても、所詮言葉だけで実際は虚ろであるのは、とっくにお見通しなのだから。
だが、もう善良そうな仮面をかぶった詐欺師に騙されるのは、真っ平だ。その詐欺師が誰であろうとも。
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荷風散人いわく
「吏は役に立たぬものなり。欲の深いものなり。賄賂を取りたがるものなり。責むるは野暮なり。いくら取り替えても同じ事なり。」。
第二については、
「衆寡敵せず。」。
茶化してすみません。
国民年金については強制徴収をしてこなかったので官・民ともに甘やかしの体質がしっかりと培われ根付いたのでしょうね。信頼が失われてからの強制徴収では所謂証文の出し遅れが明らかでしょう。
それにしても、民であればとっくに刑事事件になるものでも、官は罰せられない。三日やったらやめられない。あ、これは坊さんか。坊さんに失礼。
やはり、野暮ですね。
しかし、貯め込んだ年金資金の金庫を開ける勇気のある、その省の官僚が誰もいないとの噂を聞くと寒気がします。
現金が無いのは当然として、借用証まで入っていたりして。
それは、真夏の悪夢であることを信じて。
企業側と社会保険事務所側は、
自覚がありながら責任のなすりあい。
いったい何を信じればいいのでしょう。
本当の話、最初に取り上げた話題が事実であれば、「困った人たちだな」で済むレベルではありません。
しかし、「支払いは30年40年後のことさ」と考えると、随分乱暴なことをするものですね。
そんな一つ一つの積み重ねが、社会不安を煽っているのに。