「はずる」シリーズの新しいモデルが2月13日より発売されている。はずる キャスト ダイス(CAST DICE)でLEVELは3である。角のとれたサイコロ状の小さな黒枠の中に、三つの同形である銀色のピースが絡み合っているが、その遊びは必要以上と思われるほど大きい。
外箱裏には「枠からすり抜けて落ちそうな賽の目の3つのピース」とあるが、運が悪いと本当にアッと言う間に崩れ始め元に戻らなくなる。それは最初の状態を十分に確かめる暇もないままに。その箱の表右下のキャッチコピー「はずすパズル」が虚しくシュールである。
〔スカ〕とは、
1.物事が期待どおりにならないこと
2.あてがはずれること、はずれ、へま
組み直して再度挑戦したら、流石に必ずしも形を保てないわけではないが、「はずすこと」に対する感動は勿論のこと喜びや達成感は皆無である。ならば「もどすこと」に面白さとか楽しさや期待感を持てるかと問われたらそれも無茶だろう。
そこにあるのは、軽い徒労感と重い作業前の失意である。狭い枠内に軸が偏心したピースを窮屈な動きで押し込む。発想と手順によっては簡単ではないだろうが、得るものはマンホールの蓋が丸い理由を再確認することのみであろう。
<使用上の注意>に「ピースを無理に移動させると固まってしまい動かなくなることがあります。スムーズに動かせる範囲内で移動させて下さい」とある。その苦情は覚悟の上で、もう少し加工精度を上げ、ある工夫をしたら、今までに殆ど存在しなくて、滅多なことでは外せない故にゲームレベルの概念を超え、新しい価値観を要求するパズル「キャスト ダイスU」が可能ではないかと考えたがどうだろう。
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