キャストパズルの新作「キャスト マーブル」を、やっと戻すことができた。
悪戦苦闘して、もう無事に生還することは無理だろうと覚悟していたのだが、意外としっかりしていて鍍金が剥げたのは角だけで、代えって雰囲気が出ていい感じである。

それにしても、本当に美しい造形である。キャストパズルで美しさを誇るのは、Akio Yamamoto氏の「キャスト ラディックス(CAST RADIX)」、「キャスト ヴォルテックス(CAST VORTEX)」、「キャスト バロック(CAST BAROQ)」の3部作であろうが、それは有機的で官能的な美しさである。
それは、とてもセクシーで、作者のAkio Yamamoto氏は「キャスト ヴォルテックス」の基本イメージは、かの有名な阿修羅像から得ていると述べているほどである。
「キャスト マーブル」は、それとは異質の美しさであるのだが、幾何学的で無駄が無く、存在自体が美しいのは貴重であろう。
その上、パズルとしての難易度も絶妙で、その解けた時の快感と、戻せた時の歓びは、キャストパズルの定番の一つとなるのは間違いないほど魅力的である。

それと忘れてならないのは、それを提供するHanayamaの技術的な高さである。
「キャスト マーブル」は、普通に買えばほぼ千円である。にも拘わらず、この精度である。マーブルの内の球の動きに注目して欲しい。少し引っかかりがあるのは愛嬌で、多分もしこれがなかったら、また違うイメージとなり、パズルの醍醐味は半減する気がする。
なかなか解けなくても、チャレンジする意欲を継続させるパズルは、そう多くはない。諦めてしまうのである。つまらなくなるのである。けれども「キャスト マーブル」には諦めさせない不思議な魅力がある。
戻す楽しい苦労を味わいたくないのであれば、状況が大きく変わったら、後は注意深く・・・が肝要です。
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