2009年05月11日

太田光の後ろにあるもの。

 やはり、ただものでは無いのだろう。

「人間失格ではない太宰治―爆笑問題 太田光の11オシ@新潮社」である。恐ろしく品のない体裁になっているが、狙ってやっているのだろう。

 著作権が切れたので、色々な太宰治の本が驚くほど安価に出版されているが、これ面白い。

 特に、「太宰治全小説―すべての冒頭一文と最後の一文@堀井憲一郎」がお勧め。
 それは『ストーリーはさほど重要な要素ではないはずだ。ストーリーはいわば読み進めさせるための借り物で、作家の芯は別のところにある。神は細部に宿る。小説の冒頭一文と、結末一文だけを読んだほうが、おそろしくよくわかる。』そうである。

5月10日。最後の一花。

 印象に残ったものを適当に。

 『葉「晩年」―死のうと思っていた。―どうにか、なる。』

 『玩具「晩年」―どうにかなる。―その余の言葉はなくもがな。(未完)』

 有名な「走れ メロス」はこうだったのである。『走れ、メロス―メロスは激怒した。―勇者は、ひどく赤面した。』

 『東京八景―伊豆の南、温泉が湧き出ているというだけで、他には何一つとるところの無い、つまらぬ山村である。―何をしている事やら。』

 『千代女―女は、やっぱり、駄目なものなのね。―私は、いまに気が狂うかも知れません。』

 『小さいアルバム―せっかくおいで下さいましたのに、何もおかまい出来ず、お気の毒に存じます。― 』。何か、井上さんみたい。

 『禁酒の心―私は禁酒をしようと思っている。―なんとも酒は、魔物である。』

 『津軽― ―さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。』

posted by 工房藤棚 at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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