「CAST ELK(エルク)」を象徴する漢字一文字の「角」は、最近菅野美穂で宣伝している「角ハイボール」のサントリー角瓶の「かく」ではない。また、中村雅俊が歌った「恋人も濡れる街角」の「かど」でもなく、鹿の角の「つの」である。
また、ELKも鹿は鹿でも、ヘラジカを指すという。
光沢のあるメッキ仕上げの2頭の鹿は、絶妙に配置された角が絡み合う。
初期のCastPuzzleを支えた芦ヶ原伸之氏が厳選し、19世紀後半のイギリスのパズルを復刻したという由緒正しいものである。
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ゲームレベル6は「SQUARE(スクエア)」が加わったことによって、随分とイメージダウンしたが、金属製パズルの本道を歩む「QUARTET(カルテット)」・「ENIGMA(エニグマ)」・「CHAIN(チェーン)」と、初心者が手を出すと火傷しそうなほど手応え十分の名品揃いでもある。
その中では、エルクは2ピースで成り立っているのでハードルは低く、誰が挑戦してもキャストパズルの醍醐味と、その真髄を味わうことができる逸品である。鮮やかな一瞬は、永い歴史が伊達ではないと皆納得するだろう。
どんなに粘っても見当が付かないと諦める人がいる反面、なんだ難しくなかったと拍子抜けする人もいる。
そこが、パズルのパズルたる所以で、エルクは、それが極端なのである。
クリアのイメージは、険しい山道を迷い迷って彷徨っていると、突然視界が開ける。その達成感と爽快感は別格である。それを抜けると、後はなだらかで素直な一本道となる。ただ、戻り道も細心の注意が肝心です。
随分と昔であるが、星野哲郎 作詞で水前寺清子が唄う「おしてもだめならひいてみな」という歌があった。
「急がば回れ」という諺もある。「近道は遠道」とも、「回るは近道」ともいう。
諦めなければ、必ず道は拓ける。
ただ、一つだけ言えるのは、人の世のように「どんな道にも可能性がある」とはいかないことである。
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