前作キャスト ボックスは9月に1年振りで発売されたが、キャストパズルとしては異例とも言える短い間隔で新作キャスト ハーモニー(CAST HARMONY)が登場した。
金色の大きなト音記号の中には、銀色の小さな8分音符が絡んでいる。ゲームレベル・総合難易度は2なのでパズルとしての面白さよりデザインやお洒落度を楽しむものだろう。
ちなみに最近の外箱はゲームレベル毎に色分けされていて、前作と今作がたまたまレベル2なので両方とも黄色となっている。
また、以前から同梱されていた全キャストパズルの小さなカタログは廃止されたと思われる。それはネット社会を反映しているのだろうが、大いに残念であり紙による情報が失われていく淋しさは思いの外深い。ただ、古人は機会を逃がすと危機を招くと諫めたが、前例踏襲が全てはないのは当然である。
人を驚かすのはト音記号の造形。当然、現在の技術でもこの優しい曲線とクロスする金属を安価に一発で加工するのは無理な相談で、絶妙なラインは3個のパーツにより成り立っているが、その仕上げは自然であり違和感はない。
今ある姿を壊すことは簡単でも、新たな考えかたや仕組みを創り上げるのは困難なように、キャスト ハーモニーも戻すことの方が難しいだろう。そこには様々な可能性も見えるから。
パズルとして、それなりに難しく、見た目も美しく、何度でもチャレンジさせる魅力があり、何回やっても悩む。そんな理想的な品は簡単に生み出せないのは理解できるが、改めて先輩であるキャスト エニグマやキャスト チェーンの偉大さを実感する。
思ったことが、考えたことが、予想以上に叶い、的中する。そんな快感は、実生活では中々味わうことができない快感である。その「楽しい気持ち」へのハーモニーこそがキャスト ハーモニーの持ち味であり、これからはキャストパズル入門の定番という重要な位置を担うのだろう。
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