AkioYamamoto氏のマリンシリーズは6作あって、難易度は比較的低めで独特の雰囲気があり好感が持てるものであった。しかし、値段が安いのはいいのだが本家のキャストパズルより、かなり小さく品質感という意味ではもの足りなかった。
けれども、2010年11月には6作共キャストパズルシリーズに加えられた。名前もそれぞれ変更され、価格も他のものと揃えられたと同時に、随分と大きくなり立派になった。今回のキャスト リーフ(CAST REEF)もマリンシリーズでは、コーラル(CORAL)と呼んでいたものである。CORALは珊瑚のことで、REEFは岩礁で両方ともハゼの夫婦が格闘する場所である。
マリンの時は、難易度を上級、中級、初級としていて、コーラルは上級であったが、個人的には殆ど一本道の容易さで、どこが難しいのか理解できなかった。キャストパズルシリーズに加えられてからは、Yamamoto氏に敬意を表してコンプリートするのが筋だろうと機会を見て購入してあったので、今回挑戦したら大いに苦労させられた。
新しい総合難易度でも3。ひらめき指数も、論理指数も3で簡単ではないが、難しいとの評価ではない。けれども本当に難儀した。マリンのコーラルでは外すのは、やはり簡単だった。けれどもリーフは外せない。不可思議だがマジックに掛かったのかの如くに外せない。当然コーラルを組んで確認しようとするのだが、今度はコーラルが戻せない。
何かの拍子に突然リーフを外すことができた。それはめでたいが、すると両方とも戻すことができなくなってしまった。二つ見比べると、仕掛けは当然同じであることは理解できるのだが、珊瑚の膨らみなどはかなり手が加えられていることが分かる。あれほどに簡単だと侮っていたコーラルが難敵に変身し、安易に取り組んだリーフにはキャストパズルの醍醐味と深さを教えられた。
そうして今無事に元の場所に収まったハゼの夫婦が私に言う。「思い込みの恐さを思い知れ」。
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