ペンタゴンは、アメリカ合衆国の国防総省で五角形の建物の形からそう呼ばれるが、マリンシリーズでペンタ(PENTA)と呼ばれていたのは5本の腕をもつ姿から。
ヒトデは確かに星形でありスターフィッシュは巧い名前で、キャストパズルとなったキャスト スターフィッシュ(CAST STARFISH)はヒトデと2匹のアジの物語である。
ペンタのときのヒトデの裏側は、明らかな種明かし如くに刻みがあり、ただ、それでも解くのは難しいものであった。パズルは力づくで解くものではないのは、暗黙の了解として、だったら全く先には進めない状態でまるで闇夜の鉄砲である。
力づくにも二通りの意味があり、本当に物理的な力を使いキャストという金属さえも曲げようかの勢いと、あらゆる手段を使い片っ端から虱潰しに調べる強引な手段とだが、多数の虱を潰したくても虱は2匹しかいない。
それでは袋小路であるが、まさかヒトデとアジが組み合わさった形で製作できるはずもなく、慎重な力加減も必要なんだろうと邪推する以外に道はないと悟らざるを得なかった。
そのヒトデのツブツブは、トリックなのか純粋な模様なのか、その妖しさがこのパズルのパズルたる所以であるが、難関をクリアした後はリズミカルな解放への遊戯となり、巧みなヒトデとアジのハーモニーを味わえばよい。
そんなペンタが、キャストパズルとなったとき、どんな具合に変身するか興味は深かった。大きくなった銀色のスターフィッシュは、優しく大人しく無毒で寛容であり尖ったところはなく、より自然な姿に成長していた。だが、何故かしら還らぬ昔が懐かしく、何時間も遊んでくれたちっちゃなヒトデが、「若い時の苦労は買ってもせよ」と囁いた気がした。
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