マリンシリーズのクラブ(CRAB)は、文字通り蟹(かに)のことである。同じ素材でも大きさや値段が違う物が同じ名前ではまぎわらしいから、キャストパズルではクロー(CAST CLAW)としたのだろう。それはハサミのことで、どちらでもこのパズルをよく表しているし、蟹の左右の大きなハサミがクローのユニークさを際立たせている。
迷路系はキャストパズルの定番である。ただ、色々と工夫はあっても、最後は地道に総当たりで強引にクリアできることが多い。最近廃盤となったキャスト A.B.Cとキャスト バイクは古くからあるもので随分キャストパズルの発展に貢献しただろうが、難易度が1だったこともありお役御免である。
ただ、迷路系にも色々とあり一筋縄では行かない。キャスト クローと同様に、C形の輪を使ったものはA.B.C、バイクの他にキャスト プレートやキャスト メダル、キャスト デュエットもある。
他にも、最近発売のキャスト ボックスもそうであるし、典型的な迷路であるキャスト ラビを忘れてはいけない。だから、同じ迷路系と呼んでも多種多彩で飽きさせないのである。
それより何より、キャストパズル界の2大作家であるオスカー・ファン・デフェンダー氏は、また迷路系の名手でもある。彼のキャスト オーギアとキャスト キュービーは立体迷路であり、、キャスト レフとキャスト ディスクも迷路に見えないが迷路系と言って差し障りはないだろう。仕掛けが分かっていてもチャレンジ精神を沸き立たせることが特徴である。
ただ、クリアすることだけにしか興味がなかったらこの手のパズルの面白さは半減する。手順や意外性、動きのユニークさや物語性。リズム感や操作性。諸々が重なり合って納得し楽しめるかである。
キャスト クローは、難しくないことが一つの特徴である。アジがリズムよく蟹から逃げ回り、蟹は大きな二つのハサミで追いかけ損ね、無事に脱出されるときの蟹の油断。これは命を懸けた捕り物帳ではなく、両者のじゃれあいなんだろう。
そして、それには「この大きさが相応しい」とクローは苦労して逆立ちし叫んでいる。
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