「持ったが病」という諺がある。解釈は色々だが、持たなければ何事もなくすんだのに、なまじ持ったばかりに苦労や悩みが生じる意でも使う。少し違うが、マリンシリーズを持っていない者は幸せ者である。
キャストパズルに、元のマリンシリーズが改良やサイズアップして加えられた時、持たざる者に悩みはない。欲しかったら買えばいいし、直ぐに買わなくても購入候補に入れておけばよい。コレクションに加えるか、加えないかだけである。だが、持っている人たちは違う。その価値があるのかの判断は難しい。仕掛けが同じなのは見当が付くから、基準は思い入れだろうがその出来や変身は想像以上であることは間違いない。
マリンシリーズのタイ(TIE)は、結ぶみたいな意で分かったような、語呂合わせのような不思議な名前であったが、キャストパズルになりシーブリーム(CAST SEABREAM)と命名された。今回は文字通り鯛のことで、もつれ合って遊ぶタイとアジがモチーフである。
マリンシリーズからキャストパズルに変更になって6作共、大きくなったのは当然であるが、それぞれ微妙に修正されている。リアルになったり、洗練されたり、品質感の向上や、全作立てることが可能になったことなどあるが、難易度も大分変わっている。
その中で難易度が一番変わったのが、このシーブリームであろう。難しくなったのである。別の言い方をすれば操作性が良くなくなったとも言える。ただし、タイがパズルとして成り立つギリギリのレベルだったので、それでもやはり総合難易度1、ひらめき指数1、論理指数1のオール1を誇っている。
背鰭や尾鰭が邪魔をして、タイで可能だった一瞬芸ともいえるクリアの爽快感や、組み合わせの妙が消えた代わりに、パズルとして大手を振って泳げるようになったのだろう。手ではなく鰭か。「丸い卵も切りようで四角」とますます丸く絡み合う鯛と鰺であった。
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