私のキャストパズル歴での一番の痛恨事は、キャスト ニューズ(CAST NEWS)を自分の力で解かなかったことである。
まだキャストパズルの難しさも奥の深さも知らない本当の初心者だった頃の話である。無謀にもゲームレベルは6であるが、形や雰囲気が興味深かったので勇んで取り組んだが全く歯が立たない。それは、完全なブラックボックスであり見当さえつかない。
押しても、引いても、振っても、叩いても、転がしても、投げても、舐めても、かじっても、全然反応はなく、為す術が無いとはこのことかと悟った。
試行錯誤して唯一可能性があるのは磁力かと見当を付けた。N.E.W.Sときたら東西南北である。東西南北ときたら方位磁石である。方位磁石ときたら磁力である。確かに怪しい。ただ、それをどうしろというのか。
そこで焦る必要は一切ないのに、ここで諦めるわけにはいかないと意気込んだ。まだまだ経験不足なのだから、それはさて置いて時間の助けを求めればよかった筈である。だが、生憎それが初心者の初心者たる所以である。きっかけさえ与えないパズルを怨んだ。無茶な挑戦をした自分を恨んだ。そして、禁断の扉を開こうと決めた。
少しのヒントを得るのはやむを得ないと判断したのだ。それより何より、この不思議物体の正体を知りたいと切に願った。吃驚する仕掛けがあるのか、がっかりするマジックか。それは好奇心だけではなく意地でもあった。そして、その判断が後悔の念にかられるとは露ほども疑わなかった。「後悔先に立たず」を知らないわけではなかったというのに。
キャスト ニューズには少しのヒントという段階はなかった。階段は大きな一歩だけであった。途方もなく高いと嘆いた壁は蜃気楼だったのだろう。見てはならないものを見たとき全てを理解した。嗚呼、「覆水盆に返らず」。・・・もう元には戻れない。ならば、いざ、新たなステージへ。
中島みゆきの「時代」をリピートし続け考えた。
これからは安易な妥協はよそう。
ニューズには一切罪はない。
やはり唯一無二の名品だ。
そう、時代はめぐる。
時代はまわる。
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