キャストパズルは、「はずせますか?戻せますか?」がキャッチフレーズの通り、外すのは勿論だが戻すことも楽しみ方の一つである。
ただ、外したらもう目的の殆どを達成した気になり、戻すという楽しみに興味を示さない人がいる。勿体ない話である。
男と女の関係が、常に良好というわけにはいかないのは人の世の常である。結婚した3組の1組は離婚するという調査結果さえ見たことがある。うまくやっていくことが簡単でないと同時に、別れたら復縁は難しいのはご存知の通りである。
「複雑にからみあった♂(アダム)と♀(イブ)をはずし、また元にもどす事ができれば、あなたの恋は成就する…?!」との説明のキャスト アムール(CAST AMOUR)はAkio Yamamoto氏のキャストパズルデビュー作である。総合難易度5、ひらめき指数5、論理指数4と恋の成就は困難であることを示している。
とても頑丈なキャスト ドルチェと違って、アムールの♂と♀は華奢で激しく愛し合うことができるか心配になるひ弱さである。その舞台となる銀色のハート形の縁は「禁断の果実」を象徴しているとあるから、リンゴか。確かに言われればAppleである。
変に組み合わさった♂と♀は→や+が邪魔して、自由には動かない。増してや絡み合っているから離すことなど可能かと不安になるが、そこはパズルである。動かせる範囲でゴチャゴチャしていると、あら不思議。異次元の姿が見えてくる。それが別れの合図と理解した瞬間に本物の別れはやってくる。
縒りを戻す気があれば、相手をじっくり観察すればよい。もう二度と顔も見たくなかったら急いで別れればよい。ただ、復縁のハードルは高くなるから覚悟が必要である。そう、アムールはずすことより戻すことが難しいパズルの一種である。けれども、それも当たり前で特別のことではないから嘆く必要はない。ただ楽しめばよいだけのことである。
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