プレートの「Nob's Last Present」の刻印の通り、芦ヶ原伸之氏による復刻と改良の結果誕生したキャスト プレート(CAST PLATE)は、氏のキャストパズルとしては最後の作品である。
スタッフのメッセージとして「2004年6月、芦ヶ原氏はこのパズルの最終形を見ることなく急逝されましたが、私たちハナヤマ開発陣は、それまで打ち合わせてきた氏の意向に沿った改良を盛り込んで、このパズルを完成させました」とある。初期のCastPuzzleの殆どを監修し、またキャスト ニューズの作者である芦ヶ原氏の時代の終わりを告げるパズルなのだ。
黒くかなり大きい円盤は、微妙な凹凸があり雰囲気を高めている。そのプレートの縁は少し高くなっていて、C形のリングは当然そこからは抜けない。一カ所ある解放部と、goalと示している一つの穴が徳俵のようにはみ出しているのが味噌である。小さな穴は多数あり正真正銘の迷路中の迷路であり、これを「リングメイズ」と呼ぶらしい。
ゴールにある黒いリングを外し、また戻すのだが意外と結構楽しい。総合難易度2、ひらめき指数1、論理指数2と難易度は低めであり、迷路系で難易度が高いものは結構ストレスが溜まり易いが、これくらいが丁度好いと感じる人も多いだろう。
パズルなので当然一本道ではない。また、リングを回して進んで行くのだが、スムーズに回らないのは無茶なのか回しかたが悪いのかの判断がなんとも言い難い。プレートの移動での凸凹も可能なのか、通せん坊なのか、その辺が楽しめるのか負担となるかの別れ道なんだろう。
迷路系にも色々とあるが、このキャスト プレートが一番の本道と評価したい。読み筋がズバリ的中し、颯爽とくぐり抜ける爽快感は、全てを見渡せる本品だけが持つものであり、渋く斑な黒が金属ゆえの存在感を示している。
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