金色と銀色の二つ卵形のプレートが重なり合って、外して元に戻すキャスト レフ(CAST L'OEUF)は、キャストパズルではお馴染みのオランダのオスカー氏によるもので金色の鶏がワンポイントアクセントとなっている。
名前のレフとはフランス語で英語では”The Egg”とあるから、形の通り卵であり卵型にして強度を加えたと説明されている。総合難易度は4で、ひらめき指数も3だが、論理指数5がかなり手強いことを示している。これも迷路系といえるのだろうが類似の品はない。
金色の道も銀色の道もそれぞれ一本道であり、互いの卵から出たピンが相手の道を規制していて自由には進めない。では全く進めないかというと当然そんなことはなく、金色のピンが銀色の道を、銀色のピンが金色の道を解放へと導くのだが、その歩みはひどく鈍い。
それよりなにより、何故これが可能になるのかさえ理解できないと嘆かざるを得ないほどに巧く進めない。パズルなのだから、いくら一本道だからといって簡単でないのは当然だが、それを遙か越えた深淵な世界へと引きずり込まれる。そこで見て唸るのは、トリックかと疑う程の遠くて永い廻り道。
その上、力加減が難しい。頑丈だと評価する声がある一方、道によっては破損や変形するという意見もある。ただ、基本キャストパズルで力を要求するものはないし、力が必要な状況は無茶しているときと理解したほうが安全である。また、商品として誰かが組み上げたものなんだから常識以上の力は禁物だろう。
それでも、卵を割る時にはそれなりの力を加えなければならない。ただ、これはパズルだ。そして優しくしているだけで解決できるなら苦労はしない。その上に個体差もあるだろう。ただ「金の卵を生む鵞鳥(がちょう)を殺すな」の諺の通り、短気は禁物であり、その必要は勿論ない。
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