2012年12月26日

奥の奥まで入れてキャスト エス&エス。

 
 光沢のある銅色仕上げのキャスト エス&エス(CAST S&S)は、初期の作品の多くがそのように監修は芦ヶ原伸之氏である。19世紀後半のイギリスはパズル隆盛の時代で、その頃の名品を厳選し復刻したものの一つである。そうして百年の眠りから目覚めたパズルは現代の人々にも感動を与える。

キャスト エス&エス


 1984年の発売のS&Sだが、非常にモダンで古さは一切感じさせない。この単純な2つのSが鮮やかなパズルに変身するさまには脱帽するしかない。総合難易度3、ひらめき指数3、論理指数2の通り取り組み易くパズルの楽しみを発見し、その不思議感覚の魅力に憑かれる切っ掛けとなりうるもので、妙に懐かしさを覚えるのは何故なんだろう。

CAST S&S


 初期状態から外すのは、難しいものではなく試行錯誤すれば必ず発見できる手順であるが、違った方向に進むとそれは散々苦労する。そう、実はSのパーツは両端の形状に微妙な違いがあり、外せるのは一つの組み合わせだけである。
 ↓「初期」。

初期


 それは、元に戻す時も同じで、組み合わせる形だけが問題でないのである。その上SとSの絡み合いは初期の状態だけではない。それを芦ヶ原氏は奥へさらに奥の奥の移動まで楽しんで欲しいとのメッセージを残しているらしい。具体的には初めはSの上側のC同士が絡んでいるとしたら、次は上側のCと下側のCの組合せとなり、最後は元の下側のCとCが組み合う状態となる。
 ↓「奥」。

奥


 奥へもっと奥へ。その理屈が分かっていれば、それほど難しい操作ではないが、理解できていないと頭は混乱する。そして、奥まで入れたら気持ちがよいかというと残念ながらそうはいかない。生憎スッキリする絡み合いは一つしかないのだから。同じような形で上手くいった動きをしても動じないもどかしさこそが、S&Sの真骨頂である。
 ↓「奥の奥」。

奥の奥


 写真を拡大しないと、なかなか分かりにくいがHANAYAMAの上下やSとSの組み合わせの形の違いに注目下さい。簡単だという評価が多いエス&エスだが、奥の奥の組み合わせをアッという間に外せる人はパズルの強者である。
 

posted by 工房藤棚 at 20:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle
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