キャストパズルは現在50作あり、多種多彩であるがキャスト ダブルユー(CAST W-U)とキャスト ホースは仕掛けがほぼ同じという微妙な関係である。共に蹄鉄をモチーフとしたものだが、雰囲気や趣きは大きく違うしパズルとして渡されなければこの輪が外れるとは誰も思わない。
ダブルユーは、HANAYAMAでの芦ヶ原氏のメッセージによると、当時すでに発売中止となっていた「HORSE」を「これでもかと難しくしたもの」と説明している。その上「十分に苦しんでみてほしい」とあるが、マゾではないからその苦しみは遠慮しておきたいものである。実際は総合難易度は3であり、論理指数2、ひらめき指数4と簡単ではないと評価している。
パズルを始める人にとって、最初から難しいものに取り組んで結局は挫折し自分の力で解くことを諦めるのは残念であるし勿体ない。やはり高難度のパズルには、それなりの意地悪や落とし穴、思いがけないトリックが待ち受けている。だから、最初は根拠があろうがなかろうが、大胆無敵の自信があったとしても、よく見積もって総合評価3あたりが無難だろうし、そんな無茶をしても愉しめない。
その意味でホースで遊んだことがない人にとっては適切な難度数なんだろうが、ホースは知る人は知る存在である。それを踏まえると過剰な期待は禁物である。ホースよりは簡単でないのは間違いないが、それより強い驚きがあるかと問われたら返事に窮する。
ホースにあった一瞬芸の鮮やかさは失われ、何かゴチャゴチャしているうちに外せたり、戻すことができるような感覚で爽快感が薄いのである。簡単であれば物足りないと不満が渦巻き、難しくするとスッキリしないと貶される。声なき声を黙らせるのは簡単ではない。
キャストパズルとしては、金属を感じさせない薄さや軽さと仕上げは異色である。鎖を使ったものもホースのほかキャスト ハートがあるだけでやはり他とは異質である。肝心の仕掛け自体はパズルの王道と呼ぶにふさわしく納得できるものなので、ホースを持っていない人には高い満足が得られるのだろう。
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