2022年11月05日

嗚呼、超辛口のパズルがあってもいいじゃないか!はずる キャスト チューブ。


 はずるの新作キャストパズル「はずる キャスト チューブ(CAST TUBE)」が10月下旬に発売になっている。

P1040597(1).JPG


 ゲームレベルは星5コで、かなり難しいことになっているが、そこは評価が分かれるだろう。けれども個人的には、素晴らしいパズルであると断言したい。

はずる キャスト チューブ


 もしも、メーカーがしっかりと腹を括り、更に鋭い形で世に提供していたのであれば、堂々とキャストパズル名品群のトップクラスに輝くこととなった可能性を秘めていた逸材である。
 それは・・・・・。

CAST Tuba


 解が分かっている人が挑戦しても10分以上クリアできない精度。その上に片方はダミー。更にバージョン違いによる逆解法があり、ただし外観に差異は無し。常識的には不思議物体あるいは不可能物体。

キャスト チューブ


 世のパズルで全く同じ外観でありながら難易度を調整できる物は多くは無い。そして解答図を公表しないのは当然であり、メールによる問い合わせにも「特殊な解法であり、パズルは自分で解いてこそパズルです」と素っ気無し。

CastPuzzle


 幸運にはずる。それは狡ではない。簡単に戻るはずる。されど、偶然に再現性はなく、苛つく。二度とあの喜びを迎えることはないだろうと悟った時の底知れぬ絶望感。人は諦めるしかないと知る恨み。あるいは曰く言い難い口惜しさ。そして達観。

キャスト チューブ


 ビールにでさえ辛口があるのだから、パズルに超辛口があってもいいじゃないか。それはパズルが持つ知。それからパズルという遊び。そしてパズルのパズルたる所以。唯一無二の究極へと・・・。

CastPuzzle倶楽部


 中島みゆきが作詞・作曲した名曲「時代」を発表したのが1975年。随分と時は流れ、吉田拓郎は「ah-面白かった」と去って往く。それは残念ではあるが、回り廻って老化し変化し前進していくのは時代だけではない。



posted by 工房藤棚 at 20:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle

2022年03月09日

唯一解でない是非、はずる キャスト プラネット。


 「はずる」の新作キャスト プラネット(CAST PLANET)が2月下旬に発売になっている。プラネットとは惑星のことで、感覚としては土星の方が近い気がする。


キャスト プラネット箱表.JPG


 多数の凸が付いた銀色球体の周りに、色々な大きさの凹が刻まれた金色のリングがはまっていて、それを外すのだが、そのリングが安っぽい。ここにもう少しコストを掛ければ随分と印象が上がると思うのだが残念である。

CAST PLANET箱裏


 今までには無い動きをする迷路系のパズルだが、やはり迷路は迷路に違いなく、深く考えることもなく、やがてスルリと外れた。しかし、予想していた動きではなくこれは意外と佳作かと感心した。分かり易い狙いを見事に外していたからである。

はずるプラネット本体.JPG


 だが、戻し始めて驚いた。リングが無事に球体に納まり少し回転させると又スルリと抜け落ちた。「なんだ、これは」。今度のパターンは凸凹が絶妙に計算された通りの会心の動きである。

キャスト プラネット横方向


 けれども、迷路系に解が2通りあることの是非である。非では無くとも、やはり是ではない。これは狙いか?多分違う気がする。ならばどうする。個人的には予想外のパターンを残した方がパズルとして面白いと考えるのだが。

CastPuzzleプラネット


 初期のロットを手に入れた人は2通りの(もっとある可能性もある)解を見つけて楽しんで欲しい。発売から時間が経ったロットでは、唯一解が実現したか試してもらえば2度美味しいだろう。
 

posted by 工房藤棚 at 20:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle

2021年02月19日

大スカか、はずる キャスト ダイス。


 「はずる」シリーズの新しいモデルが2月13日より発売されている。はずる キャスト ダイス(CAST DICE)でLEVELは3である。角のとれたサイコロ状の小さな黒枠の中に、三つの同形である銀色のピースが絡み合っているが、その遊びは必要以上と思われるほど大きい。

はずる キャスト ダイス


 外箱裏には「枠からすり抜けて落ちそうな賽の目の3つのピース」とあるが、運が悪いと本当にアッと言う間に崩れ始め元に戻らなくなる。それは最初の状態を十分に確かめる暇もないままに。その箱の表右下のキャッチコピー「はずすパズル」が虚しくシュールである。

ダイス 箱表


 〔スカ〕とは、
 1.物事が期待どおりにならないこと
 2.あてがはずれること、はずれ、へま

キャスト ダイス箱裏


 組み直して再度挑戦したら、流石に必ずしも形を保てないわけではないが、「はずすこと」に対する感動は勿論のこと喜びや達成感は皆無である。ならば「もどすこと」に面白さとか楽しさや期待感を持てるかと問われたらそれも無茶だろう。

はずる CAST DICE


 そこにあるのは、軽い徒労感と重い作業前の失意である。狭い枠内に軸が偏心したピースを窮屈な動きで押し込む。発想と手順によっては簡単ではないだろうが、得るものはマンホールの蓋が丸い理由を再確認することのみであろう。

キャスト ダイス


 <使用上の注意>に「ピースを無理に移動させると固まってしまい動かなくなることがあります。スムーズに動かせる範囲内で移動させて下さい」とある。その苦情は覚悟の上で、もう少し加工精度を上げ、ある工夫をしたら、今までに殆ど存在しなくて、滅多なことでは外せない故にゲームレベルの概念を超え、新しい価値観を要求するパズル「キャスト ダイスU」が可能ではないかと考えたがどうだろう。



posted by 工房藤棚 at 10:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle
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