2018年06月30日

毛利元就も無念、キャスト アローズの4本の矢。

 
 「はずる」の新作キャスト アローズ(CAST ARROWS)が6月30日に発売となっている。今回はAmazon以外の販売店でも無事に発売日に購入できた。

キャスト アローズ

 アローとは矢のことで、ハートの穴に4本の矢が刺さっていて、その矢を外すことを「はずる」。当然ながら1本の矢が抜けたら他の矢は簡単に外すことができる。そして、四本の矢はほぼ同形である。

CAST ARROWS

 その材質は「鉄」。矢もハートも約3mmの鉄板を打ち抜いたもので、それはもうCastPuzzleとは無縁のもの。結局キャストパズルの名称を廃止したことも、このように材料や製造方法をより自由にしたかったという一面もあったのだろうが、その趣に深みを求めるのは無茶である。

はずる キャストアローズ

 ゲームレベルは3であり、難しくはない。そんなことよりも大きなネックはハートの空間の形状だろう。それは誰が見てもこの形ならそれしかないと見当が付くもので、それがまたその通りになってしまうことは余りにも浅く軽くて薄く安易である。試作の初期段階かと疑うほど投げ槍であり洗練とは対極であろう。かろうじてパズルとして成り立っているのは、あることに気が付かなければ操作性は良くないので簡単でないという皮肉であり、僅か紙一重の差である。

ARROWS

 戦国時代の中国地方の雄であった毛利元就の「三矢の教え」は有名である。臨終の時、3人の息子に矢を一本づつ与え「折ってみよ」というと3人とも簡単に折ってしまう。次に三本束にして折らせたが今度は容易にはいかない。「一本の矢なら折れるが、三本束になると折れない。兄弟三人力を合わせるように」と遺言したと皆が知っている教訓である。

hanayama

 三本の矢が折れないのなら四本の矢はより強いかというと、そういうわけにはいかない。団結すれば力となるが一本一本を少し工夫して弱点を探し出せば、所詮は一本の矢である。

CastPuzzle

 パズルには、クリアしてもよく理解できないものがある。外すことより元に戻すほうが困難なものも少なくない。一回できても二度め三度めでも苦労する強者もある。外れる瞬間大きな感動を味わうことができる逸品もある。何度でも何時でも挑戦したくなる秀作がある。されど、そんなパズルは簡単には生まれないものだなとしみじみ4本の矢をじっくりと見た。
 

posted by 工房藤棚 at 13:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle

2017年12月23日

やることなすこと全て裏目。されどキャスト トリニティ。

 
 近ごろ低迷が著しい「はずる」が、またまたやらかした。恐らく、その影響は後世まで語り継がれることになる大悪手である。

キャスト トリニティ

 新作キャスト トリニティ(CAST TRINITY)の販売手法があざとい。そのキーワードは「定価販売」である。新作については色々なサイトが予約を受付けていたが、唯一17年12月発売予定の販売店で10月下旬に予約した。ところが公式Twitterで12月15日に「明日12月16日から、Amazonさんで先行販売!」ときた。その上、その理由の説明は一切なし。

 当然12月16日からはAmazonでは通常に販売されている。2〜3日は予約販売店からの発送のメールを待っていたが残念ながら音沙汰はない。仕方がないので確認のメールを送ったが、返ってきたのは素っ気なく不愉快さが漂う「一部サイトでは先行販売を行っているようです。何卒よろしくお願いいたします」。本意ではないがキャンセルさせて頂いた。

 問題はここから。Amazonでの現在の販売価格は定価の1,382円である。ちなみに「はずる」の前作のキャスト ドットは33%OFFの923円である。同じ難易度6のキャスト インフィニティでも842円で買うことができる。尋常な販売方法でないことはご理解頂けると思う。多分他の販売店も売り始めたら値段を下げるだろう。公式Twitterでは「来年1月発売」とされているから、仮に1月下旬販売ならあと一ヶ月もある。酷い話である。

 「はずる」発売元HANAYAMAの公式ホームページによると、キャスト トリニティの販売日は2017年12月になっているから会社ぐるみであろう。よくもまあ、こんなにも不公正で不平等で不明朗で薄汚い商売をするものだ。

 前からHANAYAMAは変なところがある会社ではあったが、この4、5年前からの迷走は厳しい。今回の件も、あらかじめAmazonにて先行販売することをアナウンスしていれば、まだ救いがあっただろう。けれどもAmazon以外でも予約を受け付けている。たかだか千円程度の商品で予約を受け付けたのはいいが、苦情を言われたりキャンセルされたり、その上に悪印象を持たれたりでは踏んだり蹴ったりである。こんな仕打ちを受けて今後も喜んで「はずる」を販売してくれると考えているなら阿呆そのものである。まして独占の弊害を知らぬなら救いはない。

 本当に、やることなすこと全て裏目で悪手の連続であり理解の範疇を超えている。将棋では、悪手を2回続けたらまず勝てないと言われるが、このままでは先はない。情けない出来ごとはざっと思いつくまま記してもいくらでもある。

 1.最大の痛恨事はCastPuzzleのブランドを捨てたこと。
 2.一番の罪は数多い名品力作キャストパズルの廃盤。
 3.感性が世間と大きく乖離している(チェス)プレミアムシリーズ。
 4.恥知らずの鈍感はウルトラ(マン・セブン)シリーズの二番煎じ。
 5.最近で苦笑したのはキャスト インフィニティでの解法手順数誇張。
 6.賛否はあるかもしれないがメールによる解答図の配布の見識の浅さ。
 7.「日本はずる協会」の存在。一私企業の任意団体に「日本○○協会」と名付ける大仰さと鈍感と違和感。相撲道も真っ青だろう。

 嗚呼どこまで続く泥濘ぞ。

CAST TRINITY

 されど、キャスト トリニティ。確かに難しい。けれども、もう燃えないし夢中にはなれない。キャスト ラディックスに出会った時の情熱とは雲泥である。CastPuzzleのファンだったのはイメージを含めてのことだったのかと痛感する年の瀬の冬らしく厳しい寒さである。

飛鳥寺

 さらば昴よ、さらば破狡よ。


posted by 工房藤棚 at 20:01 | Comment(3) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle

2017年07月08日

点は線に、更にパズルに、キャスト ドット。

 
 「はずる」の新作キャスト ドット(CAST DOT)が手に入った。17年7月8日発売予定でAmazonに予約してあったのだが、その当日に配達された。

箱 表

 キャスト ドットは、キャスト チェーンなどのオスカー・ファン・デフェンター氏と並んで「はずる」の2大作家と評価しているAkio Yamamoto氏による待望久しいものでLEVELは2である。

箱 裏

 予想していたイメージより小さくまとまっていたCAST DOTは、黒と銀色の同型が組み合わさったもので、それぞれ9個のドットと2個のキノコの頭形からなり、初期状態から上下方向にも左右方向にも動かすことができる。

キャスト ドット

 同じ形でもそれが色違いで、更に黒色にはHANAYAMAが、銀色にはDOTが刻印されているので裏表が明確である。それは易しさにつながり優しさでもある。両方とも同色で両面に刻印したバージョンも違ったコンセプトとなりキャス ドット2として面白い商品として通用するだろう。

HANAYAMA

 難易度2だからといって決して安易に取り組んではいけない。Yamamoto氏特有の有機質で繊細で絶妙な操作を要求する手順は一筋縄ではないことを予感させる。更に最後には驚きの秘密が秘められていた。

CAST DOT

 その上キャスト ドットは外すことと戻すことの両方とも同じように苦労する。個人的には戻すことの方が難しかったが、人によって意見が分かれるだろう。そして、その試行錯誤により吃驚の手順を発見した。

はずる

 ゲームレベル2の所以は、まるでマジックのように僅か2回の操作でクリアできることだろう。その鮮やかさはキャスト リングにも匹敵する爽快さであるが、その手順を最初から発見することは困難だろう。但し、どんな動きを一手と数えるのかは色々な判断があるだろうし、単純な動きだけではないのは当然である。

CastPuzzle倶楽部

  何回挑戦してもその度に味わう摩訶不思議感覚は、C環の魔術師であるYamamoto氏の面目躍如である。それは初心者から腕に覚えのある強者まで全ての人が楽しめるものであり、特に「はずる」入門者にとって最適な一品が加わったことは間違いない。
 

posted by 工房藤棚 at 21:20 | Comment(1) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle
                                       .
Logo