2021年02月19日

大スカか、はずる キャスト ダイス。


 「はずる」シリーズの新しいモデルが2月13日より発売されている。はずる キャスト ダイス(CAST DICE)でLEVELは3である。角のとれたサイコロ状の小さな黒枠の中に、三つの同形である銀色のピースが絡み合っているが、その遊びは必要以上と思われるほど大きい。

はずる キャスト ダイス


 外箱裏には「枠からすり抜けて落ちそうな賽の目の3つのピース」とあるが、運が悪いと本当にアッと言う間に崩れ始め元に戻らなくなる。それは最初の状態を十分に確かめる暇もないままに。その箱の表右下のキャッチコピー「はずすパズル」が虚しくシュールである。

ダイス 箱表


 〔スカ〕とは、
 1.物事が期待どおりにならないこと
 2.あてがはずれること、はずれ、へま

キャスト ダイス箱裏


 組み直して再度挑戦したら、流石に必ずしも形を保てないわけではないが、「はずすこと」に対する感動は勿論のこと喜びや達成感は皆無である。ならば「もどすこと」に面白さとか楽しさや期待感を持てるかと問われたらそれも無茶だろう。

はずる CAST DICE


 そこにあるのは、軽い徒労感と重い作業前の失意である。狭い枠内に軸が偏心したピースを窮屈な動きで押し込む。発想と手順によっては簡単ではないだろうが、得るものはマンホールの蓋が丸い理由を再確認することのみであろう。

キャスト ダイス


 <使用上の注意>に「ピースを無理に移動させると固まってしまい動かなくなることがあります。スムーズに動かせる範囲内で移動させて下さい」とある。その苦情は覚悟の上で、もう少し加工精度を上げ、ある工夫をしたら、今までに殆ど存在しなくて、滅多なことでは外せない故にゲームレベルの概念を超え、新しい価値観を要求するパズル「キャスト ダイスU」が可能ではないかと考えたがどうだろう。



posted by 工房藤棚 at 10:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle

2020年09月19日

それは自信の表れか、はずる キャスト サイクロン。


 はずる キャスト サイクロン〔CAST CYCLONE(ZERO)〕が到着した。2020年11月下旬発売予定の限定版で、通常版とは色が違うという。しかし、9月19日現在で残念ながら「SOLD OUT」となっている。

キャスト サイクロン

 先行モニターの投票結果により難易度を決定するという企画で、それはこのパズルの難しさと出来映えへの自信の表れか。それとも前作キャスト ラブ〔CAST LOVE〕はレベル1であったが、その数値のイメージを超えた難しさだと評判だったので苦肉の策か。もう随分と昔になるが、キャスト ナットケース〔CAST NUTCASE〕も同様な試みが行われてレベル6に決まったらしい。

CAST CYCLONE(ZERO)

 限定版はキャスト チェーン〔CAST CHAIN〕に似た仕上げで、お洒落で古風な雰囲気のある4つのピースが互いに組み合っている。さほど大きくないC環に3ケのC環が絡み合う姿は不可思議な塊となり、とにかく商品説明の通り「動きが非常に制限されている」。

キャスト サイクロン前

 ゴチャゴチャしていて狭苦しく、思うようには動かせないので、そこが評価の分かれ道だろう。いわくありげな凹の意図も謎であるが、個人的には好きなタイプなので予想以上に楽しめたけれども、苦手な人は多い気がする。

CAST CYCLONE(ZERO)後

 冷静になって考えたら「それしかない」動きが解るので、後はそこに如何に辿り着くかである。前作キャスト ラブのスカッとした爽快感とは違い、じっくりくる達成感を2度味わって欲しい佳作である。ささやかに待ち続ける愉しみへの想いは裏切りのない時間となろう。

キャスト  サイクロン後

  私の投票は渋く名作の多いレベル5としよう。
 

posted by 工房藤棚 at 10:31 | Comment(1) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle

2018年06月30日

毛利元就も無念、キャスト アローズの4本の矢。

 
 「はずる」の新作キャスト アローズ(CAST ARROWS)が6月30日に発売となっている。今回はAmazon以外の販売店でも無事に発売日に購入できた。

キャスト アローズ

 アローとは矢のことで、ハートの穴に4本の矢が刺さっていて、その矢を外すことを「はずる」。当然ながら1本の矢が抜けたら他の矢は簡単に外すことができる。そして、四本の矢はほぼ同形である。

CAST ARROWS

 その材質は「鉄」。矢もハートも約3mmの鉄板を打ち抜いたもので、それはもうCastPuzzleとは無縁のもの。結局キャストパズルの名称を廃止したことも、このように材料や製造方法をより自由にしたかったという一面もあったのだろうが、その趣に深みを求めるのは無茶である。

はずる キャストアローズ

 ゲームレベルは3であり、難しくはない。そんなことよりも大きなネックはハートの空間の形状だろう。それは誰が見てもこの形ならそれしかないと見当が付くもので、それがまたその通りになってしまうことは余りにも浅く軽くて薄く安易である。試作の初期段階かと疑うほど投げ槍であり洗練とは対極であろう。かろうじてパズルとして成り立っているのは、あることに気が付かなければ操作性は良くないので簡単でないという皮肉であり、僅か紙一重の差である。

ARROWS

 戦国時代の中国地方の雄であった毛利元就の「三矢の教え」は有名である。臨終の時、3人の息子に矢を一本づつ与え「折ってみよ」というと3人とも簡単に折ってしまう。次に三本束にして折らせたが今度は容易にはいかない。「一本の矢なら折れるが、三本束になると折れない。兄弟三人力を合わせるように」と遺言したと皆が知っている教訓である。

hanayama

 三本の矢が折れないのなら四本の矢はより強いかというと、そういうわけにはいかない。団結すれば力となるが一本一本を少し工夫して弱点を探し出せば、所詮は一本の矢である。

CastPuzzle

 パズルには、クリアしてもよく理解できないものがある。外すことより元に戻すほうが困難なものも少なくない。一回できても二度め三度めでも苦労する強者もある。外れる瞬間大きな感動を味わうことができる逸品もある。何度でも何時でも挑戦したくなる秀作がある。されど、そんなパズルは簡単には生まれないものだなとしみじみ4本の矢をじっくりと見た。
 

posted by 工房藤棚 at 13:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle
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