2018年07月28日

まるまると まるめまるめよ わが心 まん丸丸く 丸くまん丸。

 
 木喰上人の生誕300年を記念し、「木喰展」が山梨県身延町なかとみ現代工芸美術館で、7月14日から10月21日まで開催されている。

木喰展

 「わが心 にごせばにごる すめばすむ すむもにごるも 心なりけり」。

地蔵菩薩 習作1

 木喰上人は61歳より仏像を彫り始め、80歳で一千体、90歳で二千体の造像を誓願したという。残した数多くの強い個性で独特の微笑みの像は、既存の価値観とは違って枠を突き抜けたものであり、溢れる気力と意欲と迫力に心打たれた。

地蔵菩薩 習作2

 300年は随分と永い時間であろう。当然ながらハズキルーペはなくハイス鋼はなくまともな資料はなく夜の闇は深く長い。されど、人の根っこのところではなっから適わない。

子安観音菩薩 再現

 どこかを鍛え直さないと一生かかっても自分の言葉では言えない。「まるまると まるめまるめよ わが心 まん丸丸く 丸くまん丸」。
 

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posted by 工房藤棚 at 13:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仏像彫刻

2018年06月30日

毛利元就も無念、キャスト アローズの4本の矢。

 
 「はずる」の新作キャスト アローズ(CAST ARROWS)が6月30日に発売となっている。今回はAmazon以外の販売店でも無事に発売日に購入できた。

キャスト アローズ

 アローとは矢のことで、ハートの穴に4本の矢が刺さっていて、その矢を外すことを「はずる」。当然ながら1本の矢が抜けたら他の矢は簡単に外すことができる。そして、四本の矢はほぼ同形である。

CAST ARROWS

 その材質は「鉄」。矢もハートも約3mmの鉄板を打ち抜いたもので、それはもうCastPuzzleとは無縁のもの。結局キャストパズルの名称を廃止したことも、このように材料や製造方法をより自由にしたかったという一面もあったのだろうが、その趣に深みを求めるのは無茶である。

はずる キャストアローズ

 ゲームレベルは3であり、難しくはない。そんなことよりも大きなネックはハートの空間の形状だろう。それは誰が見てもこの形ならそれしかないと見当が付くもので、それがまたその通りになってしまうことは余りにも浅く軽くて薄く安易である。試作の初期段階かと疑うほど投げ槍であり洗練とは対極であろう。かろうじてパズルとして成り立っているのは、あることに気が付かなければ操作性は良くないので簡単でないという皮肉であり、僅か紙一重の差である。

ARROWS

 戦国時代の中国地方の雄であった毛利元就の「三矢の教え」は有名である。臨終の時、3人の息子に矢を一本づつ与え「折ってみよ」というと3人とも簡単に折ってしまう。次に三本束にして折らせたが今度は容易にはいかない。「一本の矢なら折れるが、三本束になると折れない。兄弟三人力を合わせるように」と遺言したと皆が知っている教訓である。

hanayama

 三本の矢が折れないのなら四本の矢はより強いかというと、そういうわけにはいかない。団結すれば力となるが一本一本を少し工夫して弱点を探し出せば、所詮は一本の矢である。

CastPuzzle

 パズルには、クリアしてもよく理解できないものがある。外すことより元に戻すほうが困難なものも少なくない。一回できても二度め三度めでも苦労する強者もある。外れる瞬間大きな感動を味わうことができる逸品もある。何度でも何時でも挑戦したくなる秀作がある。されど、そんなパズルは簡単には生まれないものだなとしみじみ4本の矢をじっくりと見た。
 

posted by 工房藤棚 at 13:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle

2018年05月16日

 ぼんやりとした人達と卑怯な人達。


 ぼんやりとした人達は、新しい政党「国民民主党」。
 ぼんやりとした輩が、ぼんやりとした意図で、ぼんやりと集い、ぼんやりと立ち上げた、悲しいほどぼんやりとした新しい集団。立ち上げた瞬間に、その他の党より、鮮やかにぼんやりとした希有な存在感。

伊古奈比当ス神社

 卑怯な人達は、日大アメフト部。
 「当然ですけれども、監督やコーチがああいったプレーを指示した事実はありませんし、それはありえません」、「あくまでプレーは瞬間的なものですので、こちらとしては、今回の件は偶発的なアクシデントだったと認識しております」。
 後の歴史的な日大大没落のきっかけとなる出来事である。

伊古奈比当ス神社

 とにかく薄汚ないのが辛い。爽快感とは対極が厳しい。正義とは程遠いのが切ない。
 

posted by 工房藤棚 at 22:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言

2018年04月19日

 腰の曲がった老婆と洟垂れ小僧。

 
 昔はたくさんいて普通の風景であったのだが、腰の曲がった老人と洟を垂らした子供を見かけることは希になった。

東大寺

 色々と不満はあるのだろうが、現代の日本は本当に良い国だ。昔の人の年寄りがあんなにも腰が曲がってしまったのはどんなに体を酷使した結果だったのか。洟垂れは栄養や衛生環境が悪いことが原因だったのか。今の我が国の普通の人の普段の生活は、江戸時代の殿様さえ望むこともしなかった贅沢で極楽であろう。

東大寺

 幼児をタブレットであやし、小学生が電気仕掛けのゲームを操り、大人は片時もスマホを離さない。けれども、その怖さを実感し、その害に慄き、その深刻さを悟る時、人は真っ直ぐに進化するわけでないことをようやく理解する。

東大寺

 生まれた時からテレビを観てきた今の人達は、ようやくテレビを捨てて、新しい宝物を手に何処へたどり着こうとしているのだろうか。
 

posted by 工房藤棚 at 22:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言

2018年03月11日

 触らぬ神に祟なし。

 
 先月の日本相撲協会の理事候補選挙で、僅か2票しか獲得できなくて惨敗した貴乃花親方。散々報道されたが投票総数は101票で自分を除くと得票率は丁度1%である。世間のどんな選挙でも支持を1%しか集められなかったら恥じ入る。言訳になっていない言訳を言い訳していたが、世間との人気とは裏腹にその村社会では通用していないのである。

函南町長源寺

 今日から春場所が始まったが、その直前の9日に日本相撲協会を監督機関である内閣府の公益認定等委員会に告発した。その理由やタイミングを取材に応じて「特段変わったことはない。現在進行形ですから。進行形のことが表に出たかなということで、ご理解いただければ」と述べたそうだ。

桑原区 長源寺

 ご理解も何も、彼は貴乃花光司の名前で「内閣府公益認定等委員会に対する告発について」と題したファクスをマスコミ各社に送付するとともに、貴乃花部屋のホームページも更新して、それを公表しているという。

西国三十三所観音札所

 狙っているからより悪質であり厄介で面倒くさい人物である。それにしても自分が所属している組織の大事なイベントを私怨により妨害するとは尋常ではない。これでは心情的には理解していた隠れシンパといわれた者たちも離れていかざるを得ない。

西国三十三所観音札所

 一番の問題は被害者の怪我は一体どの程度であったのか。全治2週間とはなんだったのか。現実として現役の横綱が責任を取って廃業している。暴力が許されないのは当然であるが、素直にその闇に光を当てていれば穏便に済んだ問題も多いだろう。

西国三十三所観音札所

 理不尽に標的とされる弟子が去り、真っ当で常識を知る後援者が離れ、自分の思い通りにならない怒りをぶつけられる身内が匙を投げる時、彼には何が見えるのだろうか。そして、告発された公益法人は「触らぬ神に祟なし」の意味深さを悟るだろう。
 

posted by 工房藤棚 at 23:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言
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