2016年12月17日

将棋駒を作る。

 
 昔から将棋は好きだったが、その駒を自分で作るという発想はなかった。少し前の新聞に、固い仕事をしている人が将棋駒を年何組か作っていて無心になれる時間が楽しいような記事を読んで触発された。
 早速、Amazonで調べるとうってつけの一冊を見つけた。「将棋駒の世界」 著:増山雅人である。カラー版の中公新書で創作意欲を大いにそそられた。この人の号は「酔棋」で、そのホームページ「駒の詩」は内容豊富であり流石の充実ぶりである。


 ネットでDVD「駒を作る」 制作・販売元:駒研出版会もあることを知り、入手して観てみると簡単ではないが無茶な挑戦でないことも見当がついた。ただ一つ云えることは上手な人の動作は難しく見えないことを差し引かなければならない。
 同封されていた案内により材料・道具が全て揃った「彫り駒セット一式」¥14,000を注文し、素人将棋駒師の一歩を踏み出した。

自作1作将棋駒1
 書体は菱湖で、練習用駒型木地に挑戦したが、最初の感想は「少しばかりの器用さでは通用しないかもしれない」であった。けれども三枚、四枚と続けるとこれが結構楽しい。上達する喜びとか、工夫する過程、夢中になる感触が快い。

自作1作将棋駒2"
 上記の「彫り駒セット」には、黄楊で板目の駒形木地(御蔵島産・薩摩産選択可)¥5,000が含まれているのだが、これはかなりの品質で初心者が10枚程度の練習でチャレンジするのは無謀というより無駄な気がしたので、「ねこまどShop」にて「駒木地40枚セット」¥1,728を購入して駒一式を作ってみた。材質はイタヤカエデでサイズも微妙に小さいのでかなり見劣りするが習作には十分である。

自作1作将棋駒3
 一応は駒の形にはなったが、道は遙かで果てしがないのは理解できた。ただ、まだ一作である。初めから巧くいったら高が知れている。そして、ある程度経験を積めば、それなりのレベルになる感触も得た。あとは感性とか感覚が問われるのだろう。それよりなにより大事なのは、飽くことなく気力や興味を持続してゆっくりじっくり丁寧に腕を上げていくことなんだろう。
 

posted by 工房藤棚 at 19:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋駒

2016年11月13日

パズルの面白さと楽しさをキャスト ダイヤルで考えた。

 
 ハナヤマよりキャスト ダイヤル(CAST DIAL)が、予定通り11月12日から発売になっている。キャストパズルを「はずる」とシリーズ名の変更が行われて早4作目であり、順調なペースの新作である。

キャスト ダイヤル
 ゲームレベルは4であり、作家はVesa Timonen氏である。氏は前作キャスト インフィニティの作者であり、キャスト シリンダー、キャスト ドーナツ、キャスト ループなども彼の手になるものである。

CAST DIAL
 キャスト インフィニティは、毀誉褒貶の激しいパズルとなってしまったが、彼にとっては非常に不本意であろう。ただ、時間が経てば必ず正当な評価を受け次第に多くの支持を集め続けるだろう。

はずる
 黒色のおむすび形の中には裏表両面にダイヤルが配置され、それは枠の中でスムーズに回すことが可能であり、ダイヤル同士の回転もほとんど抵抗はない。それは、商品の名称にもなっているので重要な動きをすることが予想されるが、その自由さや自然な動きは、このパズルが簡単でないことを予感させる。

キャスト
 まさに、その通りでありダイヤルは意味もなくまわるだけで何の変化もなく、進歩もなく、手応もない。きっかけもなく、ヒントもなく、情報さえもない。わずかにAmazonの商品の説明「まずは外見をしっかり見ないと一歩目さえ踏み出せないかも!?」。
 それにしても、初手がこんなにも手掛かりを与えないパズルも珍しいだろう。それからも『ただ進むだけではなく、時に一歩下がることも重要である』。

ダイヤル
 個人的には、「内部構造の”読み”で挑む」―からくりボックス系は好きなタイプなので、救いのない時間さえ苦痛ではなく、それはそれで楽しめるから全然問題ないが、人によっては理不尽な難しさと捉えられるだろう。
 そうして、外すことができて、ダイヤルの内部の仕掛けはと見ると形は単純だが、簡単には思いつかないもので理屈は何とはなく理解できないこともないが奥は深い。それは、おむすび枠との組み合わせの妙で、その発想の次元の高さには恐れ入った。

キャストパズル
 もし自分が初心者ならば、キャスト ダイヤルを面白いと遊べるだろうかと考えると、難易度を別としても、やはりキャスト チェーン(CAST CHAIN)やキャスト エニグマ(CAST ENIGMA)などとは異質の世界であるのは確かである。
 今はもう廃盤となってしまったキャスト キー(CAST KEY)は、妙に懐かしく時々無性に遊びたくなる。改良されより難しくなったキャスト キーUでは薄い愛着がある。キャスト フラグ(CAST FLAG)も捨て難い。最初マリンシリーズで登場し、後に大きく精密にリニューアルされたキャスト シーホース(CAST SEAHORSE)やキャスト スターフィッシュ(CAST STARFISH)をはじめとする6部作。キャスト ビオロン(CAST VIOLON)の角と丸が自然に馴染む調和。それは、優しく穏やかで静かである。
 AkioYamamoto氏の永遠の名品三部作であるキャスト ヴォルテックス(CAST VORTEX)、キャスト ラディックス(CAST RADIX)、キャスト バロック(CAST BAROQ)。Vesa Timonen氏のキャスト ループ(CAST LOOP)やキャスト ドーナツ(CAST DONUTS)。更にキャスト マーブル(CAST MARBLE)さえも。みんな、みんな柔らかい。そこにあるのは余裕と遊びとゆったりとした温もりである。芯が真っ直ぐであり華麗で洗練され、その上に颯爽としていて格好良い。 そう、外連味や嫌味とは対極の「粋」なんだ。問われるのは「美しいか」が全てである。

CastPuzzle倶楽部
 一歩目さえ踏み出せない人へのヒントは、やはりダイヤルの外観をしっかり確認し、枠の動きを推測し理解して、僅かな変化を見逃さず、最後は諦めずに考え挑戦し続ける自分を愉しむことだろう。

解き進める
 番外:「はずる」チームは実は一人なんだろうか。上の11月13日現在のHANAYAMAのホームページの商品説明「説き進める」とは何かと思ったら、箱裏の説明書きでは「解き進める」で納得した。
 

posted by 工房藤棚 at 14:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | HUZZLE・CastPuzzle

2016年11月05日

 徒労。

 
 上司 小池 「あなたの今の仕事の意義を説明して下さる」。
 部下 大沼 「ウンヌン、カンヌン」。
 上司 小池 「それ、やらなくて良くない。むしろ、やらないほうがよくない」。

薔薇
 部下 大沼氏が生涯に納める都民・区民税額は、豊洲新市場の地下水管理システムのポンプ電気代1ヶ月にも及ばなかった。

黒薔薇
 パソコンを盾に或は目隠しにして仕事を見つけることが仕事の彼にとって、地下水揚水ポンプの途切れることのない仕事は羨ましかった。永久(とわ)に回り廻るは時代とポンプ。人の世は無駄と無常と知っているし、「都民ファースト」の巻き添えなんかなりたくない。だからか前の上司が妙に懐かしい。

黒薔薇
 そうして、彼は自分の辞書から「徒労」という言葉は黒塗りにした。
 

posted by 工房藤棚 at 19:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言
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